やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「どうぞ、小夜さん。」
執事が、微笑みながら、私にコップを渡してくれた。
ゴクゴクゴクゴク・・・。
渡されたコップに入っていた冷たい水を一気に飲み干す私。
「あぁ~・・・助かった・・・。」
水を飲んだ後で、心からの叫びを上げる私。
水のおかげで、かなり舌の調子も戻ってきた。
「まったく、ヒナタさんは・・・。」
しみじみとつぶやく執事。
「あの~、そのことなんですけど、私、いいこと思いついちゃったんですけど。」
私は、執事と加藤刑事を見て言った。
「・・・いいことですか?」
執事は、何のことか分からないといった表情で私を見る。
私は、そんな執事と加藤刑事に、辛さに苦しんでいた時に思いついた内容を説明した。
「・・・なるほど。」
感心したように私を見る執事。
「・・・・いいアイデアだが・・・・。」
逆に哀しそうな表情で私を見る加藤刑事。
「だめですか?」
私は、加藤刑事と執事に聞いた。
加藤刑事と執事は、お互い目を合わせた後で、同時に言った。
「やってみましょう。」
「やってみよう。」
こうして、新たな作戦が開始された。