やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「当然、飲みます。ゴクゴクと飲みます。」
「・・・・俺のは?」
「出てこないと飲めませんよ?」
「・・・・・・・・・・・・。」
組長の考え込む様子が、部屋の外の私にも手にとるようにわかった。
「どうします?早くしないと、全部私が飲んじゃいますよ?」
「・・・・わかった。飲ませてくれたら、ここから出て行くか考える。」
勝ち誇ったような組長の言葉。
「・・・本当に出てくるんですか?」
組長の言葉に疑いを向ける私。
「だから、飲ませてくれたら、考えるって言ってるだろ~。」
「・・・・わかりました。だったら、さっきの牛丼と同じように渡しますから、絶対に飲んだら出てきてくださいよ?」
「だから、飲んだら考えるから、大丈夫だって。」
私は、一応、不安を覚えながらも、他に手がないので、100パーセントのオレンジジュースをドアの前の床において、少し距離をとった。