やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
第16節:混乱の真実
何の飾り気もない灰色の壁。
四方の壁に窓はなく、唯一、壁についているものといえば、出入り口のドアだけだった。
部屋の真ん中には、壁と同じような色合いの机が置いてあり、イスは向かい同士に2つ。
そして、部屋の隅に、もうひとつ一人用の机が置いてあった。
部屋の中にいるのは、私を含めて3人。
残りは、組長と執事。
加藤刑事は、少しの間、私達で話し合うために、外してくれていた。
部屋の真ん中にある机の片方のイスには、腰をイスにロープでグルグル巻きされた組長が座らされていた。
もう片方のイスには、執事が、優雅に紅茶を飲みながら、座っていた。