やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「何が、わかったんですか?」
「小夜って実は、冷たい人間だったんだ!」
確信したような組長の声。
「何ですか、急に?」
「だって、小夜の手って温かいから、そういう人って心は冷たいって世間では、よくいうだろ?」
「・・・・・・・・私は、手と同様、心の芯までホッカホッカの人間です。」
少しムカつきながら、組長に答える私。
「え~、そうかなぁ~?」
「そうです。手の温かい人間は、心も温かいものなんです。」
私は、適当な事を自信をもって言い切った。
「・・・・まぁ・・・・そうかな。そうだよな。小夜の手が温かいのは、心が温かいから。龍一の手が冷たいのは、心が極寒冷え冷えだからだよな。」
納得した風にとんでもないことを言い始める組長。
しかし、言われた執事は、気にする様子もなく、笑みを浮かべて組長の言葉を受け止める。