やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「・・・・俺、今、勝負しなくちゃいけないのかな?」
(確かに。)
私は、組長の言葉に心の中で同意した。
「そうですね。その疑問は、当然です。・・・・私も、自分の心に問いかけてみました。・・・・大和にここまでする必要があるのか?」
考え込むようにうつむく執事。
「・・・・それで?」
「・・・・私の心は答えました。・・・・まったく、心は痛まないと。・・・・・どうやら、極寒冷え冷えの心の持ち主である私には平気みたいです。」
言葉の最後に冷笑をそえる執事。
「ごめんなさい。」
即答で謝る組長。
「それでは、今回の問題が、起こった理由を事細かく説明していただけますね。」
「すぐにでも。」
「それでは、大和、わかりやすく、今回の事件を説明してください。」
執事の脅しに屈した組長は、素直に今回の事件について語り始めた。