やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
第17節:大和の見解
「おままごとしよう。」
大和と美奈は、美奈の公園デビューのために近くの公園に意気揚々と出かけたのはよかったが、残念ながら、公園には誰もいなかった。
大和が、どうしようか迷っているところに美奈が、声を掛けてきたのだ。
「おままごとかぁ~・・・いいけど、どういうおままごとするんだ?」
大和は、膝を曲げて、視線を美奈と平行になるように腰を落とした。
「う~ん・・・美奈が、ママでぇ~・・・・このお人形が、パパ。それでぇ~この飴が、子供。」
考えながら、大和に説明をする美奈。
美奈のポケットからは、おままごとの役者である人形や飴が、次々に出てきた。
そんな美奈の説明の途中で大和が、口を挟む。
「ちょ、ちょっと待ってごらん、美奈。」
「なぁ~に?」
「説明してくれているところ悪いけど、まったく俺が登場しないんだけど・・・?」
「あっ!」
美奈は、しまったという表情で子供なりのかわいい苦笑いを浮かべる。