やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「思い出してくれた?」
「うん!」
美奈の元気な返事。
晴れ渡る空に舞い上がるように響く。
「それで、俺の役柄は?」
「ペットのジョン!」
「・・・・ペットの・・・・ジョン?」
大和の表情が固まる。
「・・・いや?」
大和の表情を見て、美奈の目に一気に涙が溢れそうになる。
「泣くのストップ、美奈!俺、ペットのジョン、大好き!いや、むしろ、俺以外に誰が、あのペットのジョンをやれるんだ。」
大和は、美奈の涙に焦って、必死に喜びを体と顔で表す。
「・・・うれしい?」
美奈は、涙を右手でゴシゴシと拭きながら、大和を見る。
「超うれしい!大和感激!」
「よかったぁ!美奈も、大和パパには、ペットのジョンが一番合ってると思ってたの。」
「だよねぇ~。 」
「それじゃ、始めよ。」
美奈は、公園の芝生の上に座りこみ、人形と飴を近くの芝生の上に置いた。