やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「・・・あなた達、勘違いしてるようだから、確認しておくけど、あなた達は、今、生きてると思ってるかもしれないけど、それは、大きな間違いよ。」
「・・・どういう意味だ?」
「あなた達は、生かされてるの。・・・・だから、私達を怒らせない方が得策よ?」
女性の表情には、何の感情も浮かんでいなかった。
相手を脅すわけでもなく、哀れむわけでもない。
ただ、事実を確認しているだけ。
それ以上でもそれ以下でもない。
その事が、よくわかる表情だった。
「・・・そうか・・・わざわざ、忠告ありがとう。お礼にこちらからも、忠告をひとつ。」
「・・・なに?」
「お前らの組織が、潰れてないのは、お前達が、俺達の眼中にないからであって、もし、お前らが、俺の視界に入ってくれば、その時は、容赦なく潰す。」
組長の言葉も、何の感情も感じられないただの確認だった。
「・・・そう、決裂ということでいいかしら?」
組長は、女性の言葉にうなずくことなく、ただ女性を見つめていただけだった。