やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】


「・・・あなた達、勘違いしてるようだから、確認しておくけど、あなた達は、今、生きてると思ってるかもしれないけど、それは、大きな間違いよ。」



「・・・どういう意味だ?」



「あなた達は、生かされてるの。・・・・だから、私達を怒らせない方が得策よ?」



女性の表情には、何の感情も浮かんでいなかった。



相手を脅すわけでもなく、哀れむわけでもない。



ただ、事実を確認しているだけ。



それ以上でもそれ以下でもない。



その事が、よくわかる表情だった。



「・・・そうか・・・わざわざ、忠告ありがとう。お礼にこちらからも、忠告をひとつ。」



「・・・なに?」



「お前らの組織が、潰れてないのは、お前達が、俺達の眼中にないからであって、もし、お前らが、俺の視界に入ってくれば、その時は、容赦なく潰す。」



組長の言葉も、何の感情も感じられないただの確認だった。



「・・・そう、決裂ということでいいかしら?」



組長は、女性の言葉にうなずくことなく、ただ女性を見つめていただけだった。


< 286 / 298 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop