やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「だって、だって・・・仕方ないだろ!俺だって、胸の谷間に目が行くのを必死で我慢してたんだ!でも、やっぱり、ちょっと見たいし、どうにかして、目をそのままで、焦点を相手の胸の谷間にあわせる事が出来ないか試していて忙しかったんだから。」
私と執事は、心底あきれた様子で組長を見た。
「・・・・・まぁ、喧嘩を売ってしまったものは、仕方がありません・・・・・ただ、最後の様子を見ると、まだ、私達は、彼女達の標的とはなってないようですので、少しは安心ですが。」
執事が、考えをまとめるように話す。
「・・・・俺だけじゃなくて、龍一も喧嘩売ってたくせに・・・まるで俺ひとりが悪いみたいに・・・・。」
組長は、ブツブツと大きな声で独り言を言い始めた。
「大和、勘違いしないで下さい。私は、喧嘩を売ったのではなくて、ナンパされたのを木っ端微塵に断っただけです。」
「・・・・あれ、いわゆる逆ナンって奴?」
羨ましそうな表情で執事を見つめる組長。
「まぁ、そうですね。」
何故か自信満々で答える執事。