やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「・・・・・もしかして、俺に対しても逆ナンだった?」
「違います。」
即断する執事。
「・・・・・・・・・・・そう・・・だよね。」
哀しそうに肩を落とす組長。
「しかし、大和、喜んでください。」
執事は、今までにないくらい優しい声で組長に声をかけた。
「・・・何?」
「彼女、出て行く時に、私はゲテモノ好きなのと言ってでましたよね?」
「言ってた、言ってた!」
「まさにあれは、どう考えても、私がゲテモノということはありませんから、大和に対しての言葉ですよ。」
「な!なるほどぉ~!」
「という事は、大和に対しても興味があるということを、暗に伝えたかったのでは?」
「・・・・馬鹿!俺の大馬鹿野郎!!彼女が必死に合図を出してくれてるのに、気づいてあげられなかったとは・・・・ごめんよ~~~!」
組長のごめんよ~が狭い室内にコダマする。
私は、そんな組長に素朴な疑問を尋ねた。
「・・・・組長、ゲテモノ扱いでもいいんですね?」
そして、その質問後、しばらく室内は無言の重苦しい空気に包まれた。