やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
・・・・ただ、その内容は、私にはちょっと理解不能な・・・理解したくない内容だった。
「しょ、署長、まだ、他の銀行強盗の件もありますし、お急ぎになられた方が・・・。」
加藤刑事も表情をどうにか無表情に保って、ひとり盛り上がる署長に声をかけた。
「銀行強盗?あれは、もうほとんどカタが、ついたのだろ?」
執事との触れ合いを邪魔され、不機嫌そうに加藤刑事を見る署長。
しかし、すぐに視線を執事に戻すと、名残り惜しそうに執事から少し距離をとって、イスに座る組長を見た。
「えっ、何?俺、嫌だよ。」
署長に見つめられ、あからさまに嫌がり、首を横に振る組長。
「失礼な。私にも選ぶ権利はある。邪魔だから、さっさと帰りなさい。 」
署長は、組長の態度を不機嫌そうに眺めて興味なさそうに言い切った。