やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】


・・・・ただ、その内容は、私にはちょっと理解不能な・・・理解したくない内容だった。



「しょ、署長、まだ、他の銀行強盗の件もありますし、お急ぎになられた方が・・・。」



加藤刑事も表情をどうにか無表情に保って、ひとり盛り上がる署長に声をかけた。



「銀行強盗?あれは、もうほとんどカタが、ついたのだろ?」



執事との触れ合いを邪魔され、不機嫌そうに加藤刑事を見る署長。



しかし、すぐに視線を執事に戻すと、名残り惜しそうに執事から少し距離をとって、イスに座る組長を見た。



「えっ、何?俺、嫌だよ。」



署長に見つめられ、あからさまに嫌がり、首を横に振る組長。



「失礼な。私にも選ぶ権利はある。邪魔だから、さっさと帰りなさい。 」



署長は、組長の態度を不機嫌そうに眺めて興味なさそうに言い切った。

< 294 / 298 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop