やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「そんなこと言わないで起きて下さいよ~。もう、朝食できますよ。」
サブの泣きそうな声が、部屋に響く。
「・・・・・・・・」
しかし、それでも、組長と真木ヒナタとポチは、寝たままだった。
(・・・・・もう、あの人達は!)
私は、いい加減、起きないのに、ムカつき、空の鍋とオタマを持って、部屋に入る。
そして、思いっきり、その空の鍋の底をオタマで叩いた。
カンッカンッカンッカンッ
けたたましい音が、狭いアパートの部屋に響き渡った。
「わっわっわっ、なっ何だよ?何が起きたんだ?」
驚いたように飛び起きる組長。
そして、飛び起きた瞬間に隣で寝ていた真木ヒナタのお腹の上に飛び乗る。
「グゥアァ!!!」
組長に思いっきり、お腹を踏まれた真木ヒナタが、叫び声を上げた。