やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
私とサブは、組長の言葉を聞いて呆然とした。
(・・・・・かわいそうなポチさん・・・・)
私は、心の中で思ったが、当然、口で真木ヒナタに告げ口するようなことはしなかった。
「なんだ、ポチの野郎か!」
ゆっくりとまだ寝ているポチの横に仁王立ちする真木ヒナタ。
私とサブと組長が、見つめる中、真木ヒナタは、思いっきり、ジャンプすると、両足でポチのお腹の上に着地した。
グゥエェ~・・・・・・・
部屋に響く奇妙な叫び声。
そして、叫び声を上げた後、まったく動かなくなるポチ。
「・・・・あ~スッキリした!朝飯にしようぜ!」
ポチのことなど気に留めず、さっぱりとしたような真木ヒナタの表情。
「そうだな。小夜、飯!」
組長もポチのことなど気にせずに言った。
「・・・・ですね。」
私は、台所に戻り、出来た朝食をお皿へと移していった。