やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
第2章:ホストクラブ
第1節:多忙
ホストクラブをやると決まってから、3日後の昼間、サブのアパートの台所のテーブルの上で、私とポチとサブが打ち合わせをしていた。
「ポチさん、内装お願いする会社、ここでいいですかね?」
私は、会社にお願いしておいた見積もりをポチに見せる。
「・・・・・こんな価格の高いところに頼んではいけませんよ、小夜姉さん!」
ポチは、見積もりを確認した後で私にダメだしをして、見積もりをつき返す。
「・・・・これ、そんなに高いんですか?」
今まで、こんなことやったことが私に、内装の価格の高い、安いなんてわかるわけはなかった。
その点、ポチは、こういう事に詳しいらしく、私に色々と助言をしてくれた。
「まったくもう、小夜姉さん、いいですか?最初にお金を掛けすぎるとそれを取り戻すまでに余計な労働をしないといけなくなるんですよ?ですから、出来るだけ安く出来る所を探さないと!」
「・・・・すいません。」
私は、ポチから説教を受けて、悲しそうに下を向く。
「ポチさん、小夜は、まだ、子供なんだから、そんなに強く言わなくても。」
サブが、横から私のフォローをしてくれた。
「確かに小夜姉さんは、胸の大きさだけは、子供かもしれませんけど、もう16歳なんだから、この程度のこと、きちんとやってもらわないと、この先、生きていけませんよ?」
ポチが、私の胸を見ながら、鼻で笑う。
「カチーン!確かに・・・胸・・・はないかもしれませんけど、ハゲよりはマシでしょ、ハゲよりは!!しかも、河童みたいなハゲなんて!!」
私は、ムカついて、ポチに言い返した。
ついでに、視線をポチの頭に合わせて、鼻で笑い返す。