ずっと一緒に*先生の青②




「なぁ、イチ
やっぱり二人で
どっか行こうよ」



夕食後
お茶をすすりながら
イチに再度言ってみる



「カナなら、
いつでもOKって言ってたし
むしろ可愛い青波を貸してくれって感じみたいだよ


ほら、青波って
オレに似てるし
なんかカナも幼き日を
思い出すんじゃねぇ?」



話せば話すほど
イチの表情は冷めていき


オレの話を聞いてんのか
聞いてないのか
青波に食後のプリンなんざ
いい物を与えている



「青波を他人に預けてまで
遊びに行きたいなんて
思わないよ、私」



「いや、他人ってお前……
カナは姉貴みたいなモンだろ?


なんか遊園地とか?
映画とか?
あと……なんだ?
とにかくデートっぽいとこで
遊んでさ


その後、ラブホとかで
二人目をガッツリ仕込むとか


青波ー、弟と妹どっちがいい?
どっちもなんて
欲張るなよー


お土産が弟か妹
素敵だろう?」



ラストのは、もちろん冗談だ


明るく話したかっただけなのに
(いや、たまにはホテルとか
行きたいなって願望はあるけど)



イチは-200℃くらいの
冷ややかーな視線をオレに向け



「青波の前でやめてよ
変なこと言うの」



青波の前って……



アンパンマンのスプーンで
プリンをすくう青波は
オレの話なんて聞いてねぇし
聞いたってわかんねぇだろ





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