わたしの名前は…


「どうしたの?」


医師が聞く。



何て言えばいい?…



「性病の検査?
何にも症状ないのに?
何?どうして」

医師が問診表を見て問う。




「性病っていってもいろいろあって、
おりもので判るのと
血液検査が必要なのとあるんだよ。
何が知りたいの?」


恥ずかしいよぉ―――





「言わないと解んないなあ」




「血はいいです…
実は彼氏がトリコモナスってので、
病院から相手も受診しろと言われたって言うから…」


「はぁん、なるほどね。
おりものもないんでしょ?
じゃあ、
大丈夫だと思うけど、
とりあえず調べてみようか!」

「じゃあ、診察台へどうぞ」



看護師に案内され
診察台に乗る…



はぁ、やだなぁ…



何か入れられ、
カチャカチャ音のするカーテンで見えない、
私の下半身の向こう…





「はい。いいよ。」



なんか出たらやだなぁ…



「はい、じゃあ、
また診察室へ戻ってください」



どうか
何も出ませんように――


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