わたしの名前は…
「何だよ!」
私の電話にいきなり怒り口調のコウキ…
「何でそんな出方するの?
完璧私がばい菌移したみたいじゃん…」
なんだか、
ばい菌扱いに
不妊症の危機に…
いい加減
自分が可哀想になってきたよ…
「コウキの家で
誰か最近トリコモナスになってない?」
「なってねーよ。
ウチのせいにする気かよ」
「じゃないけど、
私はトリコモナスじゃないって…
ゴムつけてるし、
1ヵ月も前にして今頃コウキにだけ症状出るのって、ありえないみたいだよ…」
「…病院、行ったのかよ」
「うん。
で、なんかめちゃくちゃ
コウキが誰かとして貰って来たみたいに言われて…」
「――ん、なっ!!」
「だから!何でなるか…
でしょ?
温泉とか行ってない?」
「行ってねぇよ。」
行ってろよ…
じゃあ何でなるんだよ…
極めて少ない可能性さえつぶしちゃって…
コウキ、それは
自白ってんじゃん?…
だんだん、怒りが込み上げてきた。
「じゃあ、コウキ、あんた、
ヤッたってことだよ。
バッカみたい!」
医師の言ってやれと言っていた言葉が、
溢れるように口から出る…
「生でしたから移ったんだよ!
あんたがこどもできてもいい女ってコトでしょ?
その女に治療受けさせな?
じゃないとまた移るよ!
じゃあ、
性病治してお幸せに!!!」