わたしの名前は…
その日、
それっきりで、
コウキは否定・反論全くなし…
自分で自分のしたことをバラしてしまったんだ、
反論も医者にじゃムリだよな…
悲しいくせに、
なんだか
コウキも、自分も、
自分のしてきたことも
アホらしく思えて
へんな笑いが出てくる。
「ふっ…
つまんない終わりかた…」
信じてた、
信じようとした、
その分だけ、
そのココロを占めていた分だけ
ココロが空虚になる……
ボーッとしながら
コウキの携帯のメモリーを消去していた――
メモリーと一緒に消える
指定着信音―――
バカみたい。
バカみたい。
バカみたい…
それ以外の言葉が浮かんでこない…
バカみたい。
バカみたい。
バカみたい。
「男は信じない方がいい?
男は浮気する動物、かぁ……」
イツキ先輩の言葉を思い出す
いつから
コウキに裏切られていたんだろう…
イツキ先輩は、
知っててあんなに意味深に言ったのか…
ナルセ先輩も小沢先輩も、
みんな知ってて…
バカみたい。
バカみたい。
バカじゃん、私…
あんなに自信満々に、
愛してるだの
信じてるだの…
バカみたいじゃん…
事実は知らない。
みんなコウキに騙されているかもしれない。
でも、
そんなあやふやな可能性なんか、
もう、どうでもいい。
自分で確かめたこと以外、
自分以外、
もう、信じられない―――
もう少ししたらJr.を殺した日なのに、
Jr.に何て伝えよう…
君は、
私でなく、
コウキみたいに、
他の女のところに行ってしまうの?―――
私なんて、
不妊症で産めないかもしれないしね…