わたしの名前は…



次の日の深夜、
コウキと付き合ってから
1度もかかってこなかった番号の人が、私を起こす――



プルルルルル…


「イツキ先輩――」


何で?

コウキ?
何のために?


「はい、何?」

「おう、オレ。」


ん?イツキ先輩じゃない…誰?



「オレ。ナルセ。」

「え?は?何で?」

「寝てたろ。わりぃ。
お前さぁ、コウキと別れんの?」

「何で?
どうでもいいじゃん。」

「許してやってよ。
あいつ、ホントお前のこと好きだからさぁ…」




何でそれを
ナルセ先輩に言わせてんの?


「オレが悪いんだよ。
だから許してやってよ。」

「何でコウキが他の女としたのが、
ナルセ先輩のせいなのよ!
ホントに好きならしなきゃいいじゃん!」


意味解んない。
コウキの友達なんてどうせコウキ寄りじゃん。



「違うんだよ。
オレが、コウキが何だか性病だっつうから
お前から移ったんじゃねぇのって冗談言ったせいなんだよ」


「冗談?冗談じゃないよ!
それで私を疑うのも、
おかげで金払って病院行って恥かくのも、
ホント、冗談じゃないよっ!!!」



理屈なんかいいよ。
私が裏切られて、
恥かいて…

みんなあんたら男のせいだ。


それが事実だ!!!

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