わたしの名前は…
またドアが開き、
勢いよくコウキ先輩が入ってきた―――。
「って、邪魔じゃねーよ!」
男を剥がして横に投げ、
「ナルセ、この酔っ払い連れて帰れ!!!
オメーも何黙ってやられてんだよ!!!」
勢い余って
私にまでその怒りが向けられる…
「小沢、行くぞ」
ナルセ先輩に引っ張られ
奴は帰っていった。
怒らせたら
手がつけられないと噂の人たち…
に、怒鳴られているのに
何でかうれしくて、
自然に涙が出てきた…。
「ん、な、何で泣くのよ!
うそうそ、怒ってないよ?!」
戸惑うコウキ先輩の顔を見たら
安心して、笑えてきた。
「コウキマン…」
「はぁ?何だお前?
何笑ってんのよ!?」
ワケも解らず笑う2人。
もうすぐ夜が明ける、
午前5時前…
ああ、
一時間も経ってんじゃん…
頑張ったなぁ、自分…
こうして私は
コウキマンのおかげで
小沢先輩とHはせずに済んだ…。
ナルセ先輩が帰り
もう、
ホントにアシもなくなった
いるのは、
自分も立派な酔っ払いのコウキ先輩と
免停中のイツキ先輩…
「イツキ先輩のとこ行く…」
やっと身体に力が戻って来て
私が立とうとすると、
「いろよ。
何にもしないから…」
私の手をつかんで
コウキ先輩が続ける。
「何でイツキのとこ行くの?
イツキとするの?」
顔がキツくなる…