わたしの名前は…
細いカラダの男…
玄関先で、
私にデッキを渡しながら
やたらとチロチロ顔を見る…
(何この人…
まさかフリーとかで来た客じゃないよね!?)
渡し終えたのに、
何だか挙動不振で出ていかない。
「何?お金は払ったよ?」
「あー。あー…
言いづらいなぁ…」
何やら頭を掻き、
都合悪そうな顔をする。
「あの…
すみません。
嫌だったら、嫌でいいんです、ごめんなさい…」
「は?何が?」
さっぱり意味が判らない…
「どっかで私、会いました?」
「あー!やっぱり…
覚えてないですよね…」
(会ってるの?)
「はぁ。ごめんなさい。」
「ここに前、
テレビとか洗濯機とか
運んできたんですけど…」
(…………。)
「あっ!」
「あっ、思い出した?
実は…」
正直、
告白でもしてくるか?
みたいなくらい
モジモジしているのを見てなんて断ろうか私は考えていた…