わたしの名前は…
「…ふっ(笑)。
今から行くから、
覚悟しろ、サキちゃん。」
(負けるかバカ!
なめんなよ、No.1を!!)
妙な気合いが入る。
落とすプロをナメるな!
この時ほど
生き生きしていた自分を
今だかつて知らない。
不要なお金で買った
服や小物、化粧品で、
男の好きな女に化けた。
欲しくてたまらない女、
でも、
絶対手に入らない悔しさを思い知らせてやる!
コウキを、
私の好きなヒトを、
私の愛をバカにしたことを後悔させてやる!
そんな、カンジだった…
ピンポーン…
さすが、個人情報を握っている人間。
アパートも、
部屋番号も解っている。
「今行く。」
部屋の鍵を閉めながら
「負けないもん!」
気合いを入れる私…
そして、
アパートを出た私は
驚くものを見る―――