わたしの名前は…

でも、
空腹のでかいカラダが
ゆっくり食べるのなんて想像つかない…


やはりユウキはガツガツ食べる…

ガツガツ食べる姿に、
私はより食欲減退…

レタスを一切れチビチビ口にし、
ユウキが早く食べ終わるのを待っていた。



「サキ?
マジで食べないの?」

ユウキの箸が止まる。


「いいから気にしないでゆっくり食べて…
食べてるから…」

「お腹痛いの?
無理して食べなくていいよ?」

また食べ始めたけど、
チロチロ私を見るユウキ…



「ホント気にしないで。」

「うん。
言いたいことは言っていいよ?
俺は彼氏じゃないんだから。」



口に箸を当てたまま
私の目をジッと見て
ユウキは食べるのをやめ、
言った。

「俺は彼氏じゃない。
だから、サキはサキのままでいい。
無理しなくていい。
まんまのサキがいい。」




食べたくないって言ったのに
食べてと言ったくせに、
勝手な奴…

勝手な奴の言った、
まんまでいいって言葉に
何かが溶かされた―――



何かを我慢している、
そんなつもりはなかった。


我慢していない、
そういつしか自分に私はいい聞かせていたのかもしれない…

言いたいことは言っている、

そういつしか
自分の気持ちも言葉も、
飲み込んでいるのを
無視していたのかもしれない―――

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