わたしの名前は…
「何それ…
私そんなに笑ってた?」
自然に
笑顔になってしまった…
「笑ってた。
おばさんと大きな口開けて!
可愛い顔台無しなくらい笑ってた!」
「なにそれ!
最悪な顔じゃん?!」
「あぁ、最悪!
超ブサイクな
超かわいくてどうしようもない顔…
サキのあの顔に
一目惚れしたんだ。」
やさしい笑顔でそう言って
ユウキは車を走らせた。
聞き慣れたエンジン音…
嗅ぎ慣れたタバコの香…
私をまんまで
受けとめようとするユウキ…
落として捨てる―――
はずだった―――
私は、
私のこころは、
ユウキに落ちて
拾われた―――
ユウキが見せてくれたのは
すごく、
すごくきれいな夜景だった。