わたしの名前は…
「きれいだね…
ありがとう、ユウキ…」
「きれいなモノを見て
きれいだって言える、
サキのまんまのキモチが
1番きれいなんだよ。」
夜景を見つめて
私の肩を抱いて言うユウキの瞳が…
(1番きれいじゃん…)
「ユウキ…
私はきれいじゃないよ…
私は汚い…
自分の子を殺して、
守れなくて…」
なんでだろう…
あんまり夜景がきれいだったからかな…
あんまりユウキの瞳が
きれいだったからかな…
自分が汚くて仕方なくて、
この
きれいなものに包まれて
汚い自分を吐き出してしまいたかった
そうしたら何か変わるような
そんな気がした―――
ユウキは何も言わず
ただ強く肩を抱いた―――
何も言わないユウキ…
涙が勝手に出てきた…
「ユウキはきれい過ぎて
私なんかじゃ駄目だよ…」
「いいよ。
サキが汚いなんて俺は思わない。
理由は知らないけど、
守りたかったんだろ?
だから、泣くんだろ?」
何で殆ど初めて会ったようなヒトに
あんなに素直になれたんだろう…
「泣いてもいいよ。
過去に何があってもいい。
彼氏を好きでもいい。
ただ、
俺は泣かせないし、
サキが守りたいものは俺も守る、
一緒に…」