わたしの名前は…
「あはは!何何、何?
何が何?!
っつうか、
何で勝手に黙って帰ってんだよ!」
時間があの日に戻される…
「送ってくっつったろ!?
起きたらいねーし!
ヒトが告白したのに答えもしねーで…。
お兄さん淋しいだろ!」
サラっと、
でも照れてるんだろう文章で
こっちまで照れちゃうことを言う
黙って帰ったけど、
でもね…
「答えたよ!
でも寝ちゃったじゃん!」
「うそ!?え?何て?」
「いいよ、もう。
酔っ払いの言ったコトじゃん…
大体、覚えてるの?マジで。」
「覚えてるよ、
オレの女になれっつった。
…あ!オレ寝てから何かやった?
手、出しちゃった?」
いいえ、あなたは何もしてません。
私はあなたに手を出しちゃいましたが…
あの腕の暖かさ、
心地よさを思い出す…
あぁ、このヒトに
――抱かれたい――
電話しているだけで濡れてしまいそうなほど
強がっている言葉とは裏腹に、
心身はコウキ先輩を
―――求めていた…
正直になればもっと楽だったろう
でも、特定のヒトをつくる怖さに勝てない…
「すごいね、覚えてんだ…
即寝したのに(笑)。
ありがとう、守ってくれて…
ありがとう、気に入ってくれて」
「で、答えは?!」
――――。
「あー、いい!
やっぱ逢ってちゃんと言ってから聞く。
今迎えに行くから!」
ップー、プー、プー…
電話が切れた
さすが兄弟…
私の都合は関係ないし
半強制!
…嫌いじゃない。