わたしの名前は…
「入ろ。」
そう言って車を降りるコウキ先輩…
何も言わず車を降り、
先に家に入るイツキ先輩…
助手席のドアが開き
「おいで――」
コウキ先輩に手を引かれ、私は家の中に入った…
イツキ先輩の部屋の前で
コウキ先輩が言う
「もう、お前が入るのはこっち…」
グッと手を引き、私の後ろに回り
両肩を押して
自分の部屋の前に私を立たせ、
ドアを開ける
街灯の明かりで
うっすら見える部屋の中…
私を後ろから軽く押し、部屋に入れ
ドアを閉めた…
立ったまま
後ろから私を抱き締め…
「はぁ…
逢いたかった…」
そのまましばらく何も言わず―――
隣の部屋のテレビの音が
いつもより大きかったのは私の気のせいかな…
「オレだけのものになってよ…」
後ろからまわされたこの腕は、
本当に人を殴るんだろうか
そう思うほど
愛しい腕に、
そっと触った…