わたしの名前は…
「ふふーん。
いいでしょお!?
こっちがユウキの、
こっちがサキのぉ!!」
「だってお前コレ…」
「イヤ?―――」
「嫌じゃねーよ…
でもコレ…
俺とでいいのかよ…」
「いいから買ったんじゃん。
彼氏には別に買ったし。
着けたくないなら、別に捨ててもいいよ…」
「着けるよ!
捨てるかよバカ!」
私は手フェチ…
「すげぇ!
ぴったりだ!
ありがとう、サキ。」
ユウキは迷わず
右の薬指に指輪をした…
そして迷わず、
私の右の薬指に指輪をはめた…
左ではなく―――
ユウキはどこまでも2番目であろうとした…
コウキに絶対勝つと言ったのに、
ユウキはそれほどまで
“サキ”を愛してくれていた…
様々な過去、現在、思い、想い…
すべてを抱えて自分に出逢った、
“サキ”を
それでも愛し、
だからこそ愛している…
強くて清くて、
完璧な愛をユウキは私に伝え続けてくれた…
想い、悩み、
それでも止まらず進め…
私を壊したのは何か…
壊れるほど愛したモノは
何か…
愛し、愛されるとはどういうものか…
知ればそれを求められる、
求めて得られれば
しあわせがそこにある…
だから―――
それがあなたの愛のカタチ…
愛しているからこそ、
大切だからこそ、
好き…だからこそ―――
それを私に伝えることこそ
あなたの私への、
最高の愛のカタチだった…
知ってるよ、ユウキ。
あなたがその日の夜、
眠る私の横で、
指輪を触りながら泣いていたのを…
左手の薬指に
指輪をはめて―――