わたしの名前は…






「…いいよ。
ごめんね、コウキ。
不安にさせて…。
ただ、本当にHがしたくないだけ…
コウキだからじゃなくね…。
服、取ってくるね…」



「サキ…
愛してんだよ…
ごめん…」



「サキも愛してるよ、コウキ…
サキはいつでもコウキを愛してる…
コウキが信じなくても…
コウキがサキを愛してなくても―――」


「愛してるって!
何で…
サキ、ごめん…
ごめんって…」





空っぽの私に、
愛され、
必要とされ、
不要な金を持ち、笑う
“カレン”が住み着くには容易なこと―――



“サキ”は…
空っぽなんだ…


ねぇ、タスケテ…


ねぇ、誰か…


愛を…
本当の愛を…

どこに…
誰が…

愛を感じなきゃ死んじゃいそう―――




あなたの愛が…
欲しかっただけ…

あなたの愛を…

もう一度、
愛されたかっただけ…



感じないよ…
キモチヨクナイよ―――

バイトでカラダを触られてるのと…
同じ―――



“カレン”を洗い流して―――

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