わたしの名前は…
金曜日の始業式。
すぐバイトに復活。
たった3週間休んだだけで
「カレン逢いたかったぁ!」
の、指名客の列がオープン前から…
「カレン、
お前今日時間で帰られないんじゃね(笑)」
笑う主任…
「フラワータイム早めにかけるから、まいて下さいね!」
つまり、
終了5分前のコールを
もっと早くからかけるから客に早めにイカせろ…
と、いうこと…
「いっつも早いじゃん、
コール…
気付く人は気付くよ?
まだ30分なってねぇって言ってた人いたし…」
「いいのいいの!
カレンさんに逢えればそれでよし!
今日なんか会えない人だっているかもよ?!」
「カレンさん、
指名12人待ちなんで、
早めにお願いします!」
外で客引きしている斎藤さんが
勢い良く入ってきて言う…
「だって(笑)」
ニヤッと笑う佐藤くん。
私のバイト時間、4時間30分。
普通にいくと9人で終了…
「さ!
開けるぞカレン!」
オープン10分前。
“カレン”起動…
休みなく続くサービスタイム…
「あと何人?…」
「あと8人。」
「うっそ!何で!
減ってないじゃん!」
「次から次から来るんです。
休んだあなたが悪い(笑)!
さ、まいてまいて!
また来るよぉ!
帰られないよぉ!(笑)」
「殺す気か?!」
「とんでもない!
ボクはカレンファンの味方ですから(笑)?
死なせませんよ、
ウチのNo.1ですから!」
そう言ってマイクを持ち、
私の顔を見ながら
ニヤニヤ笑ってコールする佐藤くん――
「さぁ、カレンちゃんにご指名のお客様!
カレンちゃん早めのサービスぅ!!」