わたしの名前は…




いつか言わなきゃ…

でも、
なかなか言いだせない…

言ったら、
コウキの笑顔を失う…
コウキを失う…


そんな気がして、
この幸せを失うのが怖くて言えずにいた――



夜な夜な遊んでいるような私…

でも、有り難いことに
親からもらった頭は、結構つかえる頭で…

テスト前の三日で、成績上々。

先生に、十数年この学校から合格者の出ていない学校のパンフレットなんかを揃えられ、


「頼むから、ここに行って後輩の進学枠、増やしてくれ!
過去問が無い分、各科の先生がバックアップするから!」

と、言われ…


そこまでされて言われちゃ図に乗るタイプだし(笑)
乗りたいタイプだし!

受かってやろーじゃん!
な、タイプだし…

進学先を決めたのは
コウキと出会う前だった…



既に、滑り止めの地元の学校に推薦入学合格はしていた

でも、
私のチャレンジ精神がここからは遠い東京に行くことを譲らない


都立校、
学費は桁違いに安く、
親も期待をしている…

もう、多くの大人が
たかが18歳に多大な期待をしている中、

やめます。
は、ありえなかった




…言わなきゃ
……言わなきゃ――

< 25 / 386 >

この作品をシェア

pagetop