わたしの名前は…




何事もなかったかのように朝がもう来ていて、

私をあの場所へ誘い込んだ星はすっかり消えていた…



私に真実を教えるために、あのきれいな星が
私を導いたんだ…

きっと、

私の愛するあの子達が、
私を導いたんだ…


真実を、
現実を見ろと…




そう、思った。




産んではいけないんだ。

コウキを追っていてはいけないんだ。


早く気付け。

早く路を正せ。


そう、きっと
あの子達が言ってるんだ―――






初めての出産なんて出産・育児本は、数々あった。

その中から、迷いぬいて
コレならコウキも興味がわくんじゃ?って、

そうして買った1冊の本…



もういらない…





私は自分の部屋に帰るなり
その本とライターを手に、庭へ出た…



そして、
1枚1枚に目を通しながら切り裂き、

焼いた…




(このページ…
コウキに見せたかったのに。
あ、コレ他の本にはなかったなぁ…)



でももう必要ない…

必要なくなっちゃった…



ごめんね。



あなたにあの星、
見せてあげられないの――





涙が…



私何してんだろ…

何で生きてんだろ…

何のために
生まれて来たんだろう…

何のために
泣いてんだろう…





呪文が説けた。

あとに残ったのは
また空っぽで、
何も成長していない私―――



また、殺す―――


また―――

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