わたしの名前は…
そうこうしているうちに
当然、受験日が来た――
前日から独りで
ビジネスホテルに泊まり
携帯はマナーモード…
夜、家に電話し
「もう、電源切るから…
明日切るの忘れて試験中鳴ったらやばいから…
終わったら電話するね」
そう言って電話を切り、
パワーボタンを長押し…
―――。
コウキに何も言わずに来た…
電源を切ったのは、試験のためではなく、
コウキと話さないため…
携帯はホテルに置いて行くつもり
今コウキの声を聞いたら
なんだか気持ちが揺らぎそうだから
「おやすみ、コウキ…」