わたしの名前は…
家に入ると、祖母が私を見付け、
「どこ行ってきたの?」
と、聞いた。
「病院…」
私がシングルマザーになるなんて、
祖母じゃ理解できないかな
と、思って、
それ以上は言わなかった。
そんな私の事情を知るはずもない祖母が、
シングルマザーになると決めた私の心を揺るがすことを言いだす―――
「病院?
どこか具合悪いの?」
「ううん。
元気、すんごい。」
「…?
朝、
サキ達出ていってすぐ、
何だか見たことある車が家の前に来てさ…」
「………?」
「しばらく停まってて…
1回いなくなったんだけど、また来てさ…」
「で?」
「また停まってるから、
どうしたろうと思って外出てみたのよ…
そしたら、
作業着着た若い男が降りてきてさ…」
(コウキ?!)
「で、どうしたの!?」