わたしの名前は…
こんなときに…
こんなキモチのときに…
強くならなきゃって、
必死に自分を保とうとしてる
1番弱っているときに――
ズルイ言葉だ…
ズルイ、ヒトだ―――
私の1番欲しいコトバを…
1番…
気付いてほしいコトを…
1番…
解ってほしかったヒトが…
言う…
「サキは殺さない…
殺してない…
殺せない…
オレを愛してるから…
オレが愛してる女だから…
サキはオレ達の子を殺したりしない。」
「―――強気…だね。
他の女とヤッといて…。
それでも私がコウキを愛してるって?
コウキが私を愛してるって?―――」
「あぁ。
愛してる。
誰よりも、
サキを愛してる。」
「バカじゃない…
自分が愛されてるって…
この状況で恥ずかしいとか 思わないの?」
「思う…
けど、知ってる。
お前の気持ちも、
お前が他の男のガキを
平気でオレの子だなんて言うようなやつじゃないのも…
知ってる…
知ってるのに…オレ…」
また子供を殺す。
私がまた子供を殺す。
その理由が、
今度は完全に自分に否がある…
だから、
単に悪者になりたくないだけ…
だったかもしれない…
でも、
なぜだろう…
コウキが嘘や
偽造した言葉を言っているとは、思えなかった…
裏切りは許せない。
でも、
“コウキ”というヒトを許したい…
信じたい…
愛してない…違う…
愛してる…
それもちょっと違う…
子供のため…
それもあるけど、
やっぱ違う…
コウキを必要とする、
このキモチは何だろう…
愛なのか…
それとも…情なのか…