わたしの名前は…
「サキ…
触りたい…赤ちゃん…
逢って話したい…
お腹の子に触って謝りたい…
駄目かな…」
「駄目…
触らせない…
私の子だもん…」
「よかったぁ…」
「何がいいのよ!」
「やっぱり堕ろしてないんだ!
よかった…
ありがとう、サキ。
オレ達の子殺さないでくれて
ありがとう…」
「よくないよ!
あんたの子じゃないって!
私の子だって!
あんたになんか触らせないって!」
「解った…
いいよ、オレ、頑張るから。
触らせてもらえるように、
父親だって認めてもらえるように、
パパって、
言ってもらえるように…」
コウキは私が
どんなに罵声を浴びせても
どんなにひどいことを言っても、
逃げようとしなかった…