わたしの名前は…
-9 『病』
コウキと私は結婚した。
結婚式も何もない。
紙に書いて籍を入れた、
ただそれだけ…
姓は私側…
「いつ裏切られるかわかんないし。
それでいちいち名字変わって周りに何か言われるの嫌だから…」
かわいくない…
「あぁ、解った。
変わんないから、オレはどっちでもいい。」
7月7日、七夕、
私たちは籍を入れた。
ずっと一緒にいたいのに、許されなかった。
やっとコウキと一緒にいられる…
やっと、
愛したヒトに再び出逢えた…
私の想いをヒコボシとオリヒメに重ねて―――
強がりで、
負けず嫌いで、
意地っ張りな私は、
2度とあなたに素直に愛してるとは言えないかもしれない…
でも、
あなたをずっと求めていた…
そのキモチを重ねて―――
「星…
きれいだな…
早くそいつにも見せてやりたいな。」
私のお腹を見てコウキが言った…
「私あの日、
星がきれいで、何となく誘われて…
そしたらコウキがホテル入るの見ちゃったの…
私の子達はみんなコウキのしてること、
空から見てるから。」
「うん…
見られてても、もうサキを裏切ることはしないから、
ずっと見てて…」
そう言ってコウキは星を見上げた…
あの満点の星空の下、
とても嘘をついていたとは思えない。
ただ――――