わたしの名前は…
「触らせないけど、
見せてあげる、ほら。」
私はコウキにエコー写真を差し出した。
「すげぇ!
人だ!ちゃんと人だ!!
手も足も体も…
すげぇ!!
コレ、オレの子!?
すげぇなぁ!」
興奮気味に写真を見て言うその顔は笑っていた。
幸せそうに…
こんなに喜んでるコウキに
私はなんてヒドイ仕打ちを…
少なくとも、
この子は今、
ちゃんとコウキに愛されている…
「いいよ…」
「え?」
「触っていいよ、お腹…」
「え?マジで?!
いいの?
触って…」
私がうなづくのを確認してから、
ゆっくりとコウキは私のお腹を触った…
「そんなとこにいないよ。
まだもっと下、
まだ小さいんだから…」
「あ、そっか!
すげえなぁ!
まだちっさいのに、
ちゃんと人のカタチしてんだな…」
私が愛した手から
愛する我が子に向けて、
愛のあたたかさが伝えられる…
「あったかい…」
「オレが触ってんのわかるかな?
早く大きくなれ。
パパが1番に抱っこしてやるからな…」
喧嘩上等のコウキから
キモチ悪いほどデレデレの顔で、
やさしい言葉が出てくる…
さすがの意地っ張りサキも自然に笑顔にされた。