わたしの名前は…
コウキは妊婦健診に行ってくるたびエコー写真を見たがり、
デレデレでお腹の子に話し掛けた。
「元気に生まれてこいよぉ!
パパ似のカッコイイ子で生まれてこいよぉ!」
「女かもじゃん!」
「あ、じゃあ…
パパに似たら美人になるぞぉー!」
「何でサキに似たらじゃないの?
自分ばっか!」
「ママみたいに気ぃ強くなるなよぉ!
パパくらいしか愛してくれないぞぉ!!」
「なんかムカつく(笑)!」
幸せだった…
自分の最期にはコウキが、
コウキの最期には自分が、
いると、そう思っていた…
最期にコウキに
「信じてよかった。」って、
そう言おうと思っていた…
なのに―――