わたしの名前は…
サイタイケンラク…
赤ちゃんにヘソの尾が巻き付き、
私のお腹が張ると
ソレが赤ちゃんを締め付ける…
「心音が下がっている…
あなたが張りを感じるたび、
赤ちゃんが締め付けられてこのままでは危ない。」
医師の言っていることは
そのときよくわからなかった。
ただ、赤ちゃんが危ない…
それだけしかわからなかった…
(危ない…
ココまで来て、何で…)
「一刻も早く帝王切開で、赤ちゃんを出してあげないと、
循環不全で死も…」
「え?…」
(死?―――
ヤダ―――
何言ってるの?
タスケテ―――)
手術の同意を取るため、
父親に来てもらうよう言われ、
私は慌ててコウキに電話した――
「コウキ、早く来て!
赤ちゃん死んじゃう!」
「は?
落ち着け、今どこ!?
すぐ行くからとにかく落ち着け!」
「病院…
赤ちゃん危ないって、
手術して早く出さないと死んじゃうかもって――」
「え!?
解った。今すぐ行くから!
死なせないから!
オレが死なせないから、待ってろ!!」
そう言ってコウキは電話を切った。
(早く…早く助けて…
コウキ…)