わたしの名前は…
「小さい…」
まだオニクが少なくて、
ちょっと間違ったら
ポキッと折れてしまいそうな手足…
抱き堪えのない重さ…
でも大きな存在…
「オレに似てるな…」
やさしくて、
あったかな笑顔のコウキ…
「抱かせて…」
「抱けるの?」
「抱けるよ。
オレは父親なんだから!
1番先にコイツを抱っこするんだ。」
大きなコウキの両手を広げたら、
それだけで十分な大きさの小さな我が子…
大切に、大切に
コウキはゆっくりと、
しっかりと抱いた…
「ちいせぇなぁ…
かわいいなぁ…」
溶けたアイスクリームみたいなトロトロの眼差しでこどもを見つめるコウキを見て、
私はココロがあったかかった…
きっとコウキはすごい急いで、この子を助けに来たはず。
「オレが死なせない。」
そう言ったコウキは、
完全に父親だった。
こどもは『カナム』と名付けた…
夢を叶える―――
『叶夢』―――
私がコウキの愛を感じるとき…
それはカナムをコウキが抱いているとき…
それだけで
しあわせだった―――