わたしの名前は…



小さくて
1回にたくさん飲めないカナム…

それに反して、
ガンガンに張る私の胸…



夜中1時間置きに起きるカナム、

飲み切れずに残る母乳…


吸わせて、搾って…



寝る暇なんてない。




目の下にクマをつくる私の横で、
お酒を飲んでグッスリのコウキ…


そんな状態で、
そんな男の性欲に、
快く思う女がこの世にいるんだろうか…



その寝顔に
殺意さえ感じる私は、
頭がおかしいんだろうか…



母にも、妻にも、
私はなれていないんだろうか…




女であることに、
完全に自身喪失―――






また私は
コウキの着せ替え人形になっていた…



応えなきゃ、
コウキがギャンブルを我慢してる分、
性欲くらい満たさなきゃ…


母親なんだから…

妻なんだから…

私がもっと我慢強ければ、全部うまくいく…

私がもっと強くなきゃ。

私がダメだから、だからうまくいかないんだ…


私のせいで―――






「何か最近女捨ててね?」

何の悪怯れもなくコウキが吐き出すコトバ…

最後に自分に服を買ったのはいつか…

ある服を着回し、
化粧は愚か、
ムダ毛の処理もしてない…


カナムに服やおもちゃを買い揃えるのは楽しいけど、

自分には全く興味がない…



これじゃまた、
子供いないきれいな女にコウキを盗られちゃう…



そう頭で解っても、
キモチもカラダもノラナイ…


きれいにして見てほしいなんて、
誰に対しても思えなかった…

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