わたしの名前は…
…教えられない
どうしようもなくって、
ホテルまで戻る前に公衆電話から、
親の職場へ1次通過報告…
「ホントに?!やったね!
明日も頑張れよ!!!」
「うん…」
「何だ?
なんか元気ないじゃん?」
「あ…
何かひとつホッとしたら疲れちゃって…
ホテル戻って休むね」
ガヂャン――。
受話器を置いて
電話にもたれかかる…
コウキ……逢いたい。
ピロロロロ、ピロロロロ…
突然聞いたことのない電話の音…
公衆電話がなぜか鳴っている…
「…?はい…」
出てみたら
「こんにちは!
バナナっ子クラブです!
入会しませんか?!!」
???!
「しねーよ、恐いよ馬鹿!」
思いっきり受話器を置いた
はぁ、都会は恐ろしい…
公衆電話鳴ったの初めて聞いたよ!
おもしろっ(笑)!
あぁ、
コウキにこれも教えたいなぁ…
こんなに好きで
ここに来ることになったら大丈夫かよ、私!
「ははははははっ」
独りで電話BOXの中
爆笑する私…
かなり怪しい女子高生――