わたしの名前は…






結局我慢は我慢…


勧んで、望んで
しているのとは違う…

コウキの我慢は1ヵ月ほどで切れ…

また飲み歩きだし…



それでも早めに帰って、カナムをお風呂に入れる。

コウキの唯一の育児…



「オレが入れないとカナム、ママじゃ泣くもんなぁ♪」



……コレ、

「コウキが入れると、大きい手に安心して泣かないねぇ。
ママだと不安定で、泣いちゃうもん。
カナムはパパの手が好きなんだねぇ――」



と、私がコウキをその気にさせるために言ってから、
コウキの自慢になった…



得意げに、
ニッコニコでカナムを抱き入浴するコウキ…

その2人の姿を見ることだけが、
私を支えていた…


コウキがカナムを愛している。

それを感じるとき、
コウキが他にダメなことが多くても、
私は頑張ろうと思えた…





なのに、
カナム4ヵ月のある日、
その支えさえも失う日が来る―――

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