わたしの名前は…



その前の日から
カナムは風邪をこじらせ、気管支炎になってしまい…

小さな体でヒューヒュー音をさせ、
一生懸命息をしていた…


熱も上がり、
昨日病院から薬が処方された…


だけど
まだ飲みがいまいちのカナムは薬を上手く飲んでくれない…




仕事に復帰していた私は、
少しでも免疫を…と、
朝から母乳を搾り、
休みだったコウキに、母乳と薬をと、託した…



心配で、本当は仕事どころじゃなかった。




コウキはその日、
同期と組んだ野球チームの飲み会が夕方からあった。


行く前に母に預けることになっていた。




できれば飲み会なんか欠席して、カナムを見ていてほしかったけど…


「お願いね、コウキ。
カナム…
ママ早く帰るからね。
ちゃんとお薬飲んで早く治そうね…」


「大丈夫、
ちゃんと飲ませるから。
早く仕事行かないと。
ほら!」



コウキに促され、
後ろ髪を引かれながら
私は仕事に向かった…

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