わたしの名前は…
私は
コウキが出て行ってからずっと、
男には負けない。
両親がいる家庭には負けない。
男なんかいなくたって…
男なんかいらない…
そう自分に言い聞かせて過ごしてきた気がする…
本心…じゃないのは、
誰より自分が知っている…
でも、そうやってツッパッテなきゃ、
自分を維持できなかった…
実家にいたし、
まぁまぁの給料もあるし、
片親への育児手当てもある…
子育てするのに、特に障害はない。
頑張りは周りからも認めてもらっていた。
特に問題なく、
真直ぐカナムも育ち中。
愛想のいいカナムにも助けられ、
シングルマザーでいることに、
なんら問題はなかった。
ただ、私のココロの問題…
女であることの、
キモチの問題…
異性にココロを満たして欲しいという、
女な部分の問題…
でも、
男に頼りたくない、
負けたくない、
淋しいんじゃん、と
言われたくないプライドがあって…
女である欲求に負けないよう、
プライドを維持したくてツッパッテ、
ごまかしていた…