わたしの名前は…
「ママ…」
合コンに向かう私を
3歳も過ぎたカナムは後追い…
「ママね、お仕事。」
母がカナムを騙そうと嘘をつく…
1番遊びたいときに
1番苦労したんだから、
それくらい自分を甘やかしてもいいんじゃない?
母はそう言って
私を見守っていた…
でも、私はカナムに絶対嘘はつきたくない。
「ママねぇ、遊びに行くの。
待っててね、早く帰ってくるから。
明日どっか行って、遊ぼうね?!」
何をしに行くか、
私を追ってくれるカナムに嘘はつかない。
それが、私のポリシー…
なんて…
単に罪悪感…かな。
どこで知り合うんだか
毎週のように合コンを組むサトミ…
でも
「サキいると
男、サキにみんな持ってかれるから…」
と、私は月に1・2回誘われるだけ…
確かにね…
行ったらみぃんな落とす。
だって、
愛が…
欲しいんだもん。
どの男の愛も物足りなくて、違うくて、
数で満たそう、満たそうとしてしまう…
いつの間にか
「合コンしよぉ!」
と、自らサトミにケシかけるようになっていた…
カナムが私の出て行く時の格好を見たら、
明らかに仕事に行くママじゃあない…
いつものママじゃあない…。
それでもカナムを何より大切で、
何より愛している。
それはそれ、
これはこれ…
“サキ”と“カレン”が、行き来する―――
でも、カナムのことは
どこでも、私が何の時でも、
1番です―――
飲んでも、男に抱かれてもカナムを忘れたりはしない。
カナム寝たかなぁ…
ちゃんと布団掛かってるかなぁ…
泣いてないかなぁ…
早く帰んなきゃ…
捨てきれない母である“サキ”…
行き来…
行き来…
全てが中途半端…