わたしの名前は…




何も
ヒトシという人間に、
疑いや、
ましてコウキを重ねて見てしまうなんてことも、無かった…



なのに、
仕事、ヒトシの親のこと…
いろいろ探るように問う母…



何か、

何かヒトシに、
結婚をやめさせる理由を必死に探るように―――


なんとか理由を付けて
それじゃあダメだと、言いたい…



なぜ?



…ヒトシには、
何も非難する理由が無いから…


なぜ非難する理由を見つけたい?



ヒトシが…

人として…

あまりにも、
理想な人間だから―――

だから―――

目に見える苦労を、
父も、母も、
勧められなかった…





我が子と、孫の、
幸せを願わないわけはない

でも、その願いに、
ヒトシのような人を巻き込んではいけない――

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