わたしの名前は…





知ってる…


でも…


無理だよ…




私はもっとヒトシを試し、
やめさせようと、
たくさんの爆弾をヒトシに投下したんだ。

でも、この瞳の持ち主は、
すべて安全に爆発させ、
消火、処理して、
もう、
爆弾を持たせないように覆ってしまったんだ…

覆って、
もうその覆いを剥がせなくしてしまったんだ…



自分の意志で…

強くて優しい心で…




そこには他の爆弾も何の意味もない。


処理済みの爆弾は、
爆発しない…





余裕の優しく緩む口元…

真直ぐで、強くて、
見られた者の心まできれいにしてしまうほどの
澄んだ瞳…




無駄だよ…

父さん…
母さん…



ヒトシなら必ず乗り越えてくれる…

ううん、
ヒトシでなければ
乗り越えられない…


いや…


ヒトシはそれを、
苦労だとは思わない…
思っていない…



それがあっての私だと思っているから…

それがあっての私を

愛してくれて…
いるから―――




その自信を、
過去があっての私が、

また感じているから―――

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