わたしの名前は…



泣いて…
笑って…
ばかりも母はいられなかった―――



「まだ困難は始まったばかり…
あなたにサキと結婚はしてほしい…
ただ、
あなたのご両親の意見は、
絶対に聴いて欲しい。」


「もちろんです。」


「サキも。
認められないことは、
覚悟しておきなさい。」


「解ってる…」


「大丈夫です。
絶対認めてもらいます。
いや、
絶対分かってくれます。
僕が愛した親子だから。」

「その言葉だけで、
この子達は…
私達も、幸せだよ…
とにかく、あせってご両親を傷付けないで…」




母はどこまでもそのことが気掛かりだった…




「大丈夫です。
僕も幸せになりますから。
サキさんと、カナム君無しでは、一生後悔する。
無しでは俺、幸せになれませんから。」




私とカナムを見て、
ヒトシが言う。




「ババ、大丈夫です。
僕がママと、パパ、
幸せにしますから!」



カナムが…
言う。





カナムのパパ発言に、
ヒトシが声無しで幸せそうな笑顔をする。





「3人で…
幸せになるんで、
みていて下さい!」



ヒトシとカナムの笑顔に、
父はまた微笑んだ…



「最強だな、カナム。
ママはずるいな、
何にも言わないで1番幸せそうだ…
頼むよ…ヒトシ君…」

「はい。
このまんま3人、
幸せな顔ですから。
次は親の了解のもと、
サキさんとカナム君をいただきにきます(笑)!」


「みんな笑ってなかったらあげないからね…
大事な娘と孫なんだから!(笑)」





いつの間にかヒトシは、
私の両親をも包み込み…

カナムのパパにも
なっていた…





困難とは、
困難だと思った人のコトバ…



その時の私達に、
そのコトバは…
なかった。

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